NASAスペースシャトル 全4ヶ所(+1)見学レポート
NASAのスペースシャトルは2011年に退役しましたが 、現存する四機は現在新たなミッションとしてアメリカ合衆国各地の博物館などで展示されています。私は幸運にも四機全てを見学する夢がが叶ったので、このブログで簡単に紹介していきます。
目次
- 【OV-101】エンタープライズ号@ニューヨーク
- 【OV-103】ディスカバリー号@ワシントンDC
- 【OV-104】アトランティス号@フロリダ
- 【OV-105】エンデバー号@カリフォルニア
- 【番外】Full Fuselage Trainer@シアトル
※OV-099 チャレンジャー号とOV-102コロンビア号は事故により失われています。
エンタープライズ号【イントレピッド海上航空宇宙博物館@NY】
Enterprise, OV-101
スペースシャトルの栄えある1号機。滑空実験機であり、製造されたシャトルで唯一、宇宙へ行ってはいないが、この機体で取得したデータが後続の機体の開発に生きたことはいうまでもなく、このエンタープライズ号が宇宙開発に果たした功績は色あせることはありません。
専用の展示室がありますが、少し手狭で暗いです。ほかのスペースシャトルと比べて、宇宙へ行っていない分、状態がよくきれいです。(その分味がない感じはしますが)
もう一つ他のシャトルの展示と違う点として、ロケットエンジンはフェアリングで隠されています。これはこれで実際に試験で使われていたものですの、貴重な展示です。
イントレピッド海上航空博物館は、ハドソン川に停泊している Intrepid という退役した実際の空母を再利用して博物館となっていて、空母自体も楽しめます。
NYマンハッタンの中心部からも近いので、ニューヨーク観光の一環でここを訪れるといいと思います。
【名称】イントレピッド海上航空宇宙博物館 / Intrepid Sea, Air & Space Museum
【住所】W 46th St And 12th Ave, New York, NY 10036
【公式HP】https://www.intrepidmuseum.org/
【入場料】大人$33/子供$24
【おすすめ度】★★★☆☆
ディスカバリー号【スティーブン・F・ウドヴァーヘイジー・センター@ワシントンDC】
Discovery, OV-103
ディスカバリー号はシャトルの中で最多となる39回の飛行をしています。365 日と12時間宇宙に滞在し、その間地球を5,830周もしたとのことですが、それだけ長い間宇宙を旅してい人工物が目の前に展示されているのは、とても不思議で、感慨深いものでした。
スティーブン・F・ウドヴァーヘイジー・センターは展示物の量がものすごく、B-29, F-35, コンコルドなどいろんな機体がところ狭しと並んでいます。
このスティーブン・F・ウドヴァーヘイジー・センターはダレス国際空港(Washington Dulles International Airport: IAD)に併設しており、空港からバスで10分程度の場所にあります。別名「スミソニアン 航空航空宇宙博物館 別館」なんて呼ばれていますが、ややこしいので、タクシーなどでスミソニアンの名前は出さないほうがいいです。本館に連れていかれるリスクがあります。
ワシントンDCの中心部にはもう一つ空港(Ronald Reagan Washington National Airport: DCA)があり、ここからは地下鉄・バスなどで一時間弱でつけると思いますが、私はUberで行きました。
【名称】スティーブン・F・ウドヴァーヘイジー・センター / Steven F. Udvar-Hazy Center
【住所】14390 Air And Space Museum Pkwy, Chantilly, VA 20151
【公式HP】https://airandspace.si.edu/udvar-hazy-center
【入場料】無料
【おすすめ度】★★★★☆
アトランティス号【ケネディ宇宙センター@フロリダ】
Atlantis, OV-104
ロシアの宇宙ステーション、ミールと初めてドッキングした機体であり最後のミッションであるSTS-135も担当。ケネディ宇宙センターのビジターセンターに2013年から展示されている機体です。
展示棟の前には外部燃料タンクと固体燃料補助ロケットが立てて置いてあり、その大きさに驚かされます。
詳細は現地でのお楽しみですが、スペースシャトルを見れるまでの演出が素晴らしく、私は感動して涙を流しました。
他の機体と違い、ペイロードベイ(貨物室)のドアが開いていて、中を見る事ができます。ロボットアーム、通称カナダアーム1も間近で見られます。
宇宙飛行士を乗せるのに使用していたバスなど、シャトル関連の展示物も豊富。
ケネディー宇宙センターの膨大な敷地を回る無料のバスツアーがあります。(有料のものもあるが、無料のものでも約45分と大ボリューム)
かつての打ち上げ場。
ケネディ宇宙センターは、オーランド国際空港からレンタカーで45分程度かかり、アクセスはあまりよくありません。タクシーなどだとそこそこ高額になるかもしれません。米国でのレンタカーに慣れていない人は現地ツアーなどで行ったほうが無難だとおもいます。日本人からするとフロリダ・オーランドの観光で有名なのはディズニーリゾートだと思います。もしせっかくフロリダを訪れるのであれば、ディズニー目当てだったとしても、半日をケネディ宇宙センター観光に割いても絶対に損はしないです。
【名称】ケネディ宇宙センター ビジター コンプレックス / Kennedy Space Center Visitor Complex
【住所】Sr 405, Kennedy Space Center, FL 32899
【公式HP】https://www.kennedyspacecenter.com/
【入場料】大人$57/子供$47
【おすすめ度】★★★★★
エンデバー号【カリフォルニア科学センター:LA】
Endeavour, OV-105
チャレンジャー号の事故の後、機体減少を受けて建造された一番新しい機体。日本初の有人宇宙施設「きぼう」の船内保管室を運搬しました。
外部燃料タンクは外に展示しておあります。将来的にはシャトルと合体させて、打ち上げ時を模した状態での展示を計画しているそうです。
ロサンゼルスの西海岸に位置するため、日本からも近く(航空券も安い)、一番行きやすく、実際に日本人観光客も多くいました。中心部から近く、電車、バス、タクシー、レンタカー、どの方法でも行きやすいため、特に現地ツアーなどにする必要はないかと思います。
【名称】カリフォルニア科学センター / California Science Center
【住所】700 Exposition Park Drive, Los Angeles, CA 90037-1254
【公式HP】https://californiasciencecenter.org/
【入場料】無料
【おすすめ度】★★★★☆
Full Fuselage Trainer【Museum of Flight@シアトル】
NASA Space Shuttle Full Fuselage Trainer(略称FFT)は、訓練用の機体です。コクピットや内部の居住空間、ペイロードベイ(貨物室)などが実物のスペースシャトルと同様に作られています。元々はヒューストンにあるジョンソン宇宙センターで、宇宙飛行士の訓練に使われていましたが、スペースシャトルの退役に伴い、シアトルの航空宇宙博物館にやってきました。
有料のツアーに申し込むことで中に入ることができ、フライトデッキ(コクピット)や、ロボットアームの操縦桿を見ることが出来ます。
【名称】Museum of Flight
【住所】9404 E Marginal Way S, Seattle, WA 98108
【入場料】大人$22、子供$14
【ツアー料金】大人$$25、子供$20
【公式HP】https://www.museumofflight.org/
【おすすめ度】★★★☆☆
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まとめ
【おすすめ度】
★★★★★ アトランティス号@フロリダ
★★★★☆ エンデバー号@カリフォルニア(ロサンゼルス)
★★★★☆ ディスカバリー号@ワシントンDC
★★★☆☆ エンタープライズ号@ニューヨーク
★★★☆☆ 訓練用実機@シアトル
私のお勧めはズバリ「ケネディー宇宙センターのアトランティス号」です。展示の魅せ方が抜群です。行くまでの難易度は高いですが、スペースシャトルの打ち上げ場である、“聖地”ケネディ宇宙センターで見るからこその高揚感は、他では味わえない感動だと思います。もし、4機とも見るつもりであれば、締めとして最後にアトランティスを見たほうがいいかもしれません。
エンデバー号@LAとディスカバリー号@ワシントンDCは甲乙つけがたく、旅行日程や予算などとご相談になるかと思います。行きやすさという点ではLAのエンデバー号、他の航空機の展示も楽しみたいのであればディスカバリー号を見に行くのがいいでしょう。
エンタープライズ号@NYは、他の3機の展示にはスペースシャトルの展示としてはやや劣る印象ですので、シャトル目当てで観光にくるというよりは、NY観光の一環で訪れるくらいがちょうどいいかもしれません。
参考
私が見学する際には、私よりも先に4か所全箇所制覇していた、以下のブログを参考にしてまわりました。心より御礼申し上げます。